
更新日:2025/04/13 (日)
春こそ、やさしく
目の前に咲く花に、ミツバチがとまっている。
ミツバチが蜜を運んでくれるお陰で、
花は毎年花を咲かせ、実ることができる。
花が咲いてくれるお陰で、
ミツバチは栄養を得て、巣を守ることができる。
4月も半分が経過。
葉桜へと移り変わる景色に、早くも新緑の香りを感じ始めます。
新しい環境、新しい人間関係に少しずつ慣れてくる一方で、疲れも出始めるこの時期。
季節の変わり目ならではの、3月から続く気候変動。さらに環境変化も伴い、心身ともにエネルギーの消耗を感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
心身が疲れてくると、イライラしたり、落ち込んだり、急にやる気が出なくなりやすいのが春。
五月病のように、不眠や食欲低下、頭痛などの体調変化が起こる方も多いですね。
つい気張ってしまう春だからこそ、
いつも以上に自分にやさしく、周りにやさしく、
ゆるやか~に過ごしたいものです。

少し話が飛躍しますが、
東洋思想哲学者の安岡正篤先生によると、
運を悪くする条件として、「潔癖すぎる」「怒りっぽい」「愛情や敬うものが足りない」「喋りすぎる」「酒の飲み過ぎ」があるそうです。
自分自身を振り返ると、「潔癖すぎる」「怒りっぽい」は自覚が…。
私の場合は、「潔癖すぎる(つい完璧を求めてしまう)」がゆえに「怒りっぽ」くなるパターンが多く、
相手の顔を見て「ハッ、しまった、また求めすぎてしまった…」と反省するのです。
上記の条件を反転して、運を良くする条件を考えると、
「程よい加減で」「何事も楽しむ」「愛情や尊敬の念をもつ」「口だけではなく行動で示す」「お酒も程々に」という感じでしょうか。
私が感じる、運を良くする条件は、「笑顔」「素直」、一番は「感謝」。
先述のように、相手に求めすぎている時、自分にも周りにも完璧を求めすぎている時、というのは、
「感謝」の気持ちや謙虚さを忘れていて、傲慢になっていることに気付かされます。
そして何より、心がトゲトゲ、キューっと苦しくなり、体の不調も出てきます。
人生は、自分が思っている通り、考えている通りになっていく側面もある一方で、
自分にだけ都合のいい様にはならないものです。
そして、自分も含めて完璧な人はいません。
いろいろな人がいて、持ちつ持たれつ、お互いの不足を補い合って、生きています。
人間だけではなく、動物や虫、植物など、自然界はすべて、そのような原理の中で命を紡いでいます。
私たちはつい、何でも頭で考えて、頭に血をのぼらせて、頭を疲れさせて、
いつの間にか心まで病んでしまいそうになることがあります。
そのような時は、大きな視点で、宇宙や自然界にまで視野を広げられると、
ほんの少しでも楽になれるように思います。

考えすぎず、自然の流れに身を任せて。
卑屈にならず、傲慢にならず、素直に謙虚に。
おかげ様、ありがとう。
今日も皆さまが、やさしさに包まれて過ごせますように。
[参考文献]
『致知 4月号』「人間における運の研究」 致知出版社